PLASTIC SURGERY形成外科
熱傷
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1熱傷とは
熱傷(やけど)は日常生活にの中で最も多いケガの一つです。
やけどとは、熱によって皮膚や粘膜が損傷した状態のことをいいます。低温熱傷と呼ばれる、比較的低い温度(44~60度)で生じるやけどもあります。やけどは範囲や深さに応じた治療が必要ですが、受傷直後の応急処置が重要です。水道の流水で30分を目安に冷やすことを推奨しています。 -
2原因
やけどは深さによりⅠ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類され、それぞれ症状が異なります。皮膚の薄い子供や老人では損傷レベルが深くなります。浅いやけどは痛みなどの症状が強く、深くなるに従い痛みは少なくなっていきます。
Ⅰ度 II度 Ⅲ度 損傷レベル 表皮より浅い 表皮、 真皮 皮膚全層・皮下組織 症状(外見) 赤み(充血、発赤) 水疱(水ぶくれ) 乾燥(黒色、白色) 症状(自覚) 痛み、 熱感(熱い) 痛み
(損傷レベルが深くなるにつれて痛みが減少)無痛、 感覚なし 治癒期間 数日 1~4週間 1ヶ月以上 傷跡 残らない 残る場合と残らない場合がある 残る Ⅰ度 損傷レベル 表皮より浅い 症状(外見) 赤み(充血、発赤) 症状(自覚) 痛み、 熱感(熱い) 治癒期間 数日 傷跡 残らない II度 損傷レベル 表皮、 真皮 症状(外見) 水疱(水ぶくれ) 症状(自覚) 痛み
(損傷レベルが深くなるにつれて痛みが減少)治癒期間 1~4週間 傷跡 残る場合と残らない場合がある Ⅲ度 損傷レベル 皮膚全層・皮下組織 症状(外見) 乾燥(黒色、白色) 症状(自覚) 無痛、 感覚なし 治癒期間 1ヶ月以上 傷跡 残る - やけどの応急処置
- 直ちに流水で30分を目安に冷却することが大切です。これにより皮膚への損傷が深くなることを防ぎ、痛みをやわらげることができます。体の場合、無理に衣服を脱がず、シャワーで衣服の上から直接冷却します。水疱(水ぶくれ)がある場合は破らないようにしましょう。手指のやけどの場合、指輪はすぐに外してください。時間がたつにつれ、指がはれて抜けなくなることもあるからです。応急処置後、すぐに病院へ受診してください。
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3応急処置後の治療方法
軟膏治療・やけど専用の創傷被覆材で治療していきます。
細菌感染を起こすと、損傷が深くなり治癒までに時間がかかる可能性があります。また、治癒後に瘢痕や肥厚性瘢痕(ケロイド様の皮膚のもりあがり)、拘縮(ひきつれ)などの後遺症となることがあります。そのため、やけどは専門医師の診察をお勧めします。
特に顔面、手、関節、陰部のやけどの場合は、小範囲でもすみやかな専門的治療が必要です。